ひきこもり当事者を採用するホテル

ひきこもりを続けていると、就労の機会を得ることが無く、体力や作法などの”働く基礎”が衰えていき、ますます就労の機会を得にくくなるという悪循環に陥りがちです。

危機感を覚えて一般就労をしようとする際には、職歴が無いこと、マナーや書類の書き方など、経験不足によって採用がなかなか決まらないこともあります。

そうした際に、ハローワークや就労移行支援事業所を利用することも大切ですが、”試しに働ける場”というのを提供できることが大切だよなと感じている次第です。

今回取り上げているラブホテルを運営する株式会社カイリゾート(敬称略)は、ひきこもり当事者に対して、試しに働ける場を提供し、長期に働いていけるような事業所づくりをされていますのでご紹介致します。

何かしら就労体験をした方が良いわけ

なぜ人は働くのか、私たちは当たり前のように働いています。生活のため、国民の義務だから、色々な理由があると思います。

私は成果物を作り出し、人と交換することで何かしらの評価や繋がりを得たいからという理由が大きかったと思います。(だからブログを作っています)

日本に居る場合、どうしても困ったらお金を貰える制度があります。生活保護です。この制度はいつまで続くか分かりませんが、障害、病気、家庭の事情により就労ができず、収入が無い場合には考慮に入れるべき制度であると言えます。まず、生きることが一番大切だと私は考えています。

私の考えですが、生産物が無い状態というのは、消費中心―つまり受け取ってばかりの生活が続いており、精神的に溜め込んでしまいます。日記をつける、草むしり、洗い物、散歩何でも良いので、外に対して何らかのアクションをすることで人間的にも気持ち的にも前に進める気がします。

ボランティアやパートタイムの仕事は気持ちを前向きにして、お金も貰え、生活にメリハリ(嫌でも)がつく利点があります。

株式会社カイリゾートのすごいところ

ひきこもり当事者を募集しています!という求人はいくつかはあると思います。けれども、株式会社カイリゾートの凄いところをいくつかご紹介いたします。

1.ひきこもり当事者が必要な理由をきちんと説明している

ひきこもり当事者も、なぜ自分が求められているのか。理由を知りたいと思います。「別に他の人でも良いのではないか」と。

あなたはこの仕事が合うのではないかと思う。と言われた時、なら試しにやってやろうという気持ちになるのではないでしょうか。

不安になる対人関係も少なく、逆にひきこもりだからこそ向いているのではないかと述べています。

以下は採用ページからの引用です。

弊社では、引きこもりの人に対して特別なことを思っていません。
引きこもりの人は、働く意欲も、能力もあるのに、何かがきっかけで家から出れなくなっている人、です。

もちろん、意欲や能力があっても、ずっと家にいて他人と接していなければ慣れるのに多少時間がかかります。その点は、弊社のこれまでの経験から、無理のないステップを設けています。

幸いといってはなんですが、弊社の仕事はラブホテルであり、お客様に接することが少ない仕事です。それだけに対人関係に慣れていない引きこもりの人には向いている部分が多いと考えています。

株式会社カイリゾート採用情報

2.就労してからのステップが分かりやすい

ひきこもり当事者が就労してから、何をするのか、どれくらい働けるのか、期間はどれくらいを見るのかなど、気になること・不安なことは多くあります。

不安は気持ちのエネルギーを使い、就労するエネルギーや前向きな意欲を奪うため、雇用側はできるだけ明快なプランを提示する必要があります。

株式会社カイリゾートには、明確な採用プランが出ており、当事者から意見を聞きながら作製したのかなと伺わせるような内容でした。

ステップ1
お試しトレーニング 20日間 1日2時間
仕事中のスタッフと同じ空間で、仕事を見ながら簡単なお手伝いをしていただきます。

ステップ2
インターンシップ  20日間 1日6時間
他のスタッフの管理のもとで、フロントや清掃の仕事を一緒にしていただきます。

ステップ3
実践インターンシップ 20日~数ヶ月 1日6時間以上
ある程度の仕事を任せられるようトレーニングをしていきます。
遅刻や欠勤がなく、コンスタントに勤務できるようなら、トレーニングを終了し、正式採用となります。

3.就労段階が変わる期間がとっても長い

上記の就労プランを見てわかる通り、各ステップ20日間つまり、週5日勤務で4週間を目安にトレーニングしていっています。

ひきこもり当事者が不安になる、体力面・仕事の進め方についても配慮があるのはありがたいですよね。

短時間勤務から始めれて、三か月~半年の期間を置きながら、正社員での雇用を目指すルートがあると明示してあるのは本当に素晴らしいと思います。

おわりに

株式会社カイリゾートのような情報公開と教育システムについては真似しててくれる事業所が増えればいいなと思って公開しました。

障がい者やひきこもり当事者の雇用は、正社員になるまでのロールモデルがなく、手探りで進んでいくしかないのが現状です。今後は人口減少が進み、働ける人は少しでも働こうという流れが出てくると思います。障がい者雇用の法定雇用率も上がりますし、確実に流れは来ています。

誰かを雇用する時、選ばれやすいのは、「働き方が分かる会社」、「キャリアプランがしっかりしている会社」ではないでしょうか。

疑問点や質問があればお問合せください。